後日、父親や警察に聞いた話によると、
どうやら、ビチ子は厳重注意を受けた後、大変反省をした様子で、
俺の自宅の鍵を自ら警察に預け、携帯も没収された。
ビチ子は大いに反省した様だったし、念書も躊躇いなく書いたので、
警察が言い渡した処遇は、ビチ子を自宅に帰し、しばらくは両親にビチ子を見守せるという程度のものだった。

俺の病院の場所は、警察がビチ子の両親にこっそりと伝えていた。
ビチ子の両親が、見舞いがてらお詫びの品を渡すつもりだったらしい。

病院のメモ書きを、ビチ子が見つけ出してしまった。
ビチ子の反省振りから、まさかそのような行動に出るとは思わず、メモを厳重に隠すことはしなかったらしい。

その結果こんな事態になったことで、警察とビチ子の両親は心の底から謝ってくれた。
ビチ子の両親に至っては、土下座さえしてくれた。

後日A男に聞いた話によると、
ビチ子は俺との復縁を目論む裏で、Y男や他の男たちとの関係を続けていたらしい。
怒りの感情は沸いてこなかった。
A男が、写真や動画を見せようとしてきたが、断った。
ビチ子の全てが恐怖だった。
ビチ子の両親は、慰謝料や弁護士費用とは別に、
カウンセリング費用や、引っ越し費用、その他”お気持ち”と称して多額の金銭を振り込んでくれた。

現在もビチ子は、傷害罪で刑務所に入っている。
それでも、恐怖心が消えず、俺は自宅を引き払い、オートロックのマンションに引っ越した。
ドアスコープがトラウマになってしまい、ドアモニターも設置した。
覗き穴恐怖症というらしい。

ドアから伸びた手や、血、ナイフにもトラウマを持つようになってしまった。
今でも、本を持ったりした際に物の影から手が見えると、しばらく動けなくなってしまうし、
血やナイフを見ると、全身が凍ってしまう。
悪夢を見る日も少なくはない。
カウンセリングに通いながら、日常生活をどうにか取り戻そうとしているが、道のりは遠そうだ。