まあ、でも携帯の修理費は、慰謝料から貰おっかな。いいよな?俺男?」
俺「あ、うん。もちろん」
ビ「慰謝料!!?何言ってるの!?」
俺「婚約解消するんだから、お前から慰謝料を貰うのは当然だろ。もちろん、Y男からも取るよ」
Y「え!!?俺も!?どうして!!?」
俺「人の女に手出しといて、自分は身を痛めないなんて、都合よすぎると思わないか?」
ビ「お願い!別れるのだけは嫌!私俺男さんがいないと生きていけない!」
俺「だったら浮気なんてしなければよかったんだよ。いい勉強代になるだろ」

その時、家のインターフォンが鳴った。
下の階の住人らしく、やけにうるさいが何かあったのか?と聞いてきたので、
適当にはぐらかし、騒音に関しては丁重にお詫びをした。

俺「とにかく、今日はもう出ていけ。Y男もだ。後日改めて連絡をする」
ビ「なんで私が出て行かないといけないの!?ここは私の家よ!?」
俺「これ以上言わせるな。出てけ」
A男の手を借りて、ビチ子とY男を無理やり家から追い出し、荷物もドアの隙間から投げだした。

「なんか、ごめんな」
A男に詫びを入れると、A男は
「生きてれば色んな事があるよ。お前とりあえず今週は会社休め」
「ああ、そうするよ。お前どうする?今日泊まってくか?」
「ま!彼女と別れた途端、口説くなんて!」
A男がおちゃらけてくれたのが、唯一の救いだった。
ビチ子とY男が寝ていたベッドで寝る気にはならなかったので、俺はソファで休んだ。
A男は呑気にもベッドを使った。
翌朝、携帯を見ると、ビチ子からのメールと着信履歴がものすごい数になっていた。
メールには
『俺男さん、ちゃんと話をきいて。』
『Y男とは二度と会わない!』
『許して!』
『電話出てよ!』
など、同じような内容が列挙されていた。

会社へ連絡をし、しばらく休む旨を伝えた。
仲良し上司にだけはきちんと伝えておこうと思い、他の社員には伏せてもらうことを前提に、事情を事細かに伝えた。
「あのビチ子くんがねえ…」
と辛そうな様子だったが
「しばらくゆっくり休め。ただ、今の案件がな…」
「すみません。何かあったら自宅で対応するので言ってください」
「こんな時にすまんな。しばらくは連絡が多くなるかもしれん」
「もちろん結構です。ご迷惑おかけします」
と、なんとか納得してくれた。

A男が出しなに、
「女ってのはお前の思ってる以上に汚ねえぞ。ちゃんと外堀は作っておけ」
と言っていたことを思い出した。